「The Witness」という衝撃的なゲームを遊んだ

「The Witness」という衝撃的なゲームを遊んだ
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「説明がないゲーム」とか「ちょっとひねりのあるパズル」とか「ステージ自体が世界観の核そのものになっている」とかそういうのが大好物だったんだけど、単なるそれの最高峰だったということ以上に色々衝撃的なゲームを遊んだのでなにか書いておきたい、という記事。

ネタバレはしないのでこのゲームが気になる人も安心して読み進めてください。

The Witness

タイトルは「The Witness」といいます。Witness は直訳すると「目撃者」。クリアした人はまあ「なるほどね」ってところでしょうか。

TheWitness

ハードは PS4 と Steam なのでたぶんほとんどの人が問題なく遊べるはず。スマホアプリ版もあるみたいですが僕としては前者 2 つのどちらかで遊んでほしい。というかゲーム性的に小さい画面はツラいと思う。

ゲームを始めると何の説明もなしに美麗な無人島に放り出されます。ジャンルが一応パズルであるということだけは↓のようなパネルがいくつも視界に入ってくることからすぐにわかるけど、他にはなんの手がかりもないです。

the-witness-screenshot-puzzlejpg

もちろんこれらパズルに対しても一切の説明はありません。どうやったらそのパネルがクリアになるのか、小さいルールを見つけて複合化させていくことによってゲームは進みます。つまりプレイヤーの成長のみがゲームの鍵。

この時点で既にとても面白くて、本作品を単なるパズルゲームとしてのみ評価をするのだとしても相当な完成度になると思います。レベリングが本当に秀逸で、発見の楽しさとプレイヤーの成長想定とがかなり綿密に設計されています。

「与えられた情報だけで推測していく」という意味で、脱出ゲームが好きな人にもとてもおすすめできる作品でしょう。まあ実際には別の観点でも脱出ゲーム的要素があるわけだけど…。

僕もゲームに関して事前に知っていた情報はこの程度なので、ここまでで既に興味を持てた方はむしろこの先は読まずにもう今すぐ買ったほうがよかったりもするかも。

 

ゲームとは関係ない内容を1つだけ。

この作品、HDR(ハイダイナミックレンジ)がフルに活かされているおかげか異常に眩しいので眩しいのが極度に苦手な僕にはいささかツラいものがありました。

幸い設定を切ればかなり改善するものの、カラフルで美しい島を本来の明るさで楽しめないのはちょっと残念でした。慣れると OFF にしていることを忘れるけど。

発見の興奮

よくよく考えると一切のネタバレをせずにこのゲームの魅力を語るのはほぼ無理だった。

いや、ゲームをちょっとでも進めればこの作品が一体どういうものなのかをたぶん全てのプレイヤーが理解し始めるとは思うんだけど、そのプロセスの楽しさを僕が事前に奪っていい権利は絶対にないので結局なにも書けないということに…。

脱線ついでなんですけど、ゲームの感想記事って昔からどうやって書くべきかずっと答えを出せていないのですよねー。モチベーションとしては「◯◯がよかった…!」って書きたいわけだけど、そのゲームのおすすめをしたい以上未プレイの方にも多く読んでもらいたいし、ネタバレ的な内容をどこまで書くべきかはいつも判断に迷います。そもそもネタバレの線引きが僕に委ねられているのもすごく困るし。

というわけで、なにか当たり障りないことをふわふわ書きます()

「発見の興奮」と書いたんだけど、つまりはこのゲームにおける「何かを見つけること」の衝撃というか感動というか鳥肌が立つ感じがハンパではなく、強いアイテムや装備品が手に入るわけでもないのに島中を探索し続けていたくなってしまう大きな要因になっています。

島はそこそこな広さなんですが決してオープンワールドというほどのものではなく、歩きだけの移動でもストレスはあんまりないです。ただこの広さ設定も僕は絶妙だと思っていて、広すぎて半ば作業感が出てしまうあの感じが全くありません。この話は マリオオデッセイの記事 でも書きました。

ちなみに現時点で僕もすべては「発見」できていなくて、このゲームの完クリ(死語…?変換も出ねぇ)時に何が起きるのかとかは全然知りません。クリア後にちょっとだけ攻略情報を調べたのですが、英語サイトや動画類含め完全攻略しているものはなさそうでした。簡単に調べることができないのもインディーズゲームのいいところですよね~。

病気になる

このゲームのもうひとつのテーマ。これは存在の紹介までは特にネタバレにならないと判断しています(実際すぐわかるし他サイトでもだいたい記述がある)。

なにかというと、「ミーム汚染」という言葉を知っている人には説明が簡単です。それです。

ゲームを数時間遊んでから現実世界に戻ってきたとき、まわりの風景を見て無意識に "なにか" を探してしまっている自分に気づいてゾッとします。と同時にゲーム内では「自分が気づいていないだけで無数の "なにか" に囲まれているのかもしれない」と思うと下手なホラーゲームよりよほど狂気的な怖さがあります。

そしてこの "なにか" というのは、別にあるひとつの要素についてのみ言っているわけではありません。

島には意味深なオブジェクトが数え切れないほどあり、ある角度から見ると人に見える影があったりもするわけです。

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プレイヤーはこれらを見つけると何を考えるでしょう。

「これはストーリーやパズルと関係あるのかな?」
「これ絶対意味あるよね、どんな意味なんだろう」
「いや単にそう見えるだけで別に深い意味はないのかな?」

これらがあまりにも一挙に押し寄せてくるので常に警戒心に満ち溢れた状態になってしまい、まあつまるところ頭がおかしくなってくるんですよね。これは本当に強烈な体験だった。

「ゲームはあくまでもゲーム」という考え方も僕は好きだし(筆頭は任天堂の作品など)、「メタ的要素など現実世界にまで影響を及ぼすようなゲーム」というのも現代的で最近はとても好き。そして本作は後者の意味で圧倒的なパワーがあります(芸術作品としても間違いなくひとつの完成形だなーと思ってます)。

あと説明の都合上「ミーム汚染」という言葉を使ったけど、僕はあまり適切な表現だとは思っていない。

ゲームをちゃんとクリアするとわかるんだけど(第一クリアと前述の完クリの間にちゃんとしたクリアが一応あるよ、これはむしろ書いておきたい)、作者は明らかにこのゲームのテーマに「それ」を置いていて、ゲームという単なるエンタメのいち要素が一体どこまで現実世界に影響を及ぼせるのかという挑戦をしているように思えます。

それに「汚染」という響きは明らかにネガティブな印象を与えるので言葉としていいものではないです。まあ、こんな素敵なゲームならむしろどんどん汚染してもらいたいくらいだけれども。

ともかく、ゲームによるあらゆる種類の体験に興味があるタイプの人には絶大にマッチする作品でしょう。もちろん、ただのパズル好きとして臨んで阿鼻叫喚するのもいいですね。

ぜひ遊んでみてください。それは開発者を金銭的に応援することでもあるし、つまりはまた僕らを驚かせてくれるような制作にも期待できるということです。

ちなみに The Looker という無料のリスペクト(?)オマージュ的なジョーク作品も Steam 限定で遊べます。まあ普通に楽しめると思います。 …という怪しい感想程度にしておきます。

おわりに

この記事をここまで書き終えてから初めてちゃんとググったりしました(さっき軽く攻略情報を調べたと書いたけど、これはあくまでパズルの存在くらいを調べただけで感想や考察の類は全く見ていなかった)。

誰かの記事を読んでしまうとどうしても内容が引っ張られてしまうので基本的には書くまでググらないのだけど、今回に関してはあまり結果が変わらなかったかもしれません。

みんな書いていることはだいたい同じで(「ギャー」とか「うわぁぁ」とか言ってる)、かつこの作品に対する「これはなんだったのか」的なやつも同路線のものが多かったです。いわゆる「考察ゲー」ではないと僕は思っているので意見が分かれていないのは頷けるし、作者的にも成功なのではと思う。

The Witness、忘れられないゲームになりました。

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みるみ
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みるみみるめも筆者

1歳でコントローラーを持つ。ここ数年はインディーズゲームにお熱。

詳しいプロフィールはこのページで色々書いてます。もやってます。

みるめも
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