この記事では、「carrozzeria」(カロッツェリア)のカーナビについて、ラインナップやメーカーの特徴などを詳しく解説しています。
また、知らない方も結構いらっしゃるようですが「carrozzeria」はパイオニア株式会社(Pioneer)が展開するカーエレクトロニクス製品のブランド名で、カーナビの他にもカーオーディオやドライブレコーダーなどの電装品を販売しています。「メーカー名」という意味では「パイオニア」の方が正しいと言えるかもしれません。
カーナビ業界ではcarrozzeriaはトップと言える座に近いので、このメーカーのナビについて知ることはとても大切でしょう。僕も普段常用しているのはcarrozzeriaのカーナビです(他のメーカーの解説記事を含めて贔屓はないよう注意を払っています)。
carrozzeria(パイオニア)とはどんなメーカー?
carrozzeriaはどんなメーカー/ブランドなのか、軽くご紹介しでおきます。
もともとは有名なオーディオメーカー
パイオニアは、皆さんご存知のようにオーディオメーカーとして非常に有名な会社です。
少し前まではテレビや電話、DVDレコーダーなどPanasonicのようになんでも家電を作っていた印象がありますが、現在は見かけませんね。
しかし創業当初から受け継がれているオーディオの高品質さはカーナビにもふんだんに受け継がれています。カースピーカーも含めて、オーディオファンからもcarrozzeriaの人気があるのは当然なのでしょう。
歴史あるカーナビを中心に専業へ
一流のオーディオで有名だったパイオニアですが、現在はオーディオ事業は売却したようで、「カーナビを中心としたカーエレクトロニクス事業に集中する」との経営方針を打ち出しているみたいですね。
そうは言っても、今の仕組みのカーナビを世界で初めて普及させたcarrozzeriaは、カーナビだけを取ってみても深い歴史と高い技術があると思います。長年の経験で培われたカーナビの諸々の技術はたくさんのファンを掴んでいるようです。
特に年齢が上の方が多い気がしますね。今の若い世代の方にはパイオニアは有名な企業ではないかもしれませんが、昔はカーナビ以外でも知名度があったからでしょう。
carrozzeriaのカーナビの特徴
さて、ではここからはcarrozzeriaのカーナビについて説明しています。
carrozzeriaのカーナビの最大の特徴は2つです。
- ダントツで高い精度を誇る位置測位技術
- 音質の高さや豊富なイコライザ設定などオーディオ機能も評価が高い
また、他社のカーナビと比べたデメリットもしっかりお伝えします。
1.ダントツで高い精度を誇る位置測位技術
carrozzeriaのカーナビの最大の強みは、驚異なまでにズレない自分の位置と、それを活かしたルート案内の精度の良さです。
高い位置測位精度
「どうしてそんなに自分の位置が吹っ飛んでしまったりしないの?」
ということについては、「搭載されている部品の性能や設計によって差が出ます」というのが答えです。詳しくは下記の記事をどうぞ。「カーナビによって差が出ることがある」ということが理解できると思います。
特に、トンネルや山奥に入ったときや、高速道路と下みちが並走しているところなどでは真価が発揮されます。
「下の国道を走っているはずなのに、その上にある高速道路を走っているのと勘違いされる」などの経験は、ある方多いのではないですか?
そんな経験とはもうおさらばです。そう、carrozzeriaならね()
位置の精度は"ルート探索"ではなくて"ルート案内"でも役立つ
この位置情報の高い精度を活かしたルート案内は、例えば以下のようなシーンで利用されます。
この状況で「次の信号を右です」という案内がかかることを想定した場合、色々問題が起こりそうです。
「次ってどれ!?」となったことがある方はたくさんいると思いますし、そもそも案内のタイミングがずれたら「次」も変わってきますよね。
そこで、「ジャスト案内」という機能によって、今走っているスピードに応じて案内のタイミングを適切に調整することができます。
ゆっくり走っていれば直前に「次の信号です」と案内するし、速く走っているときは通り過ぎないように随分手前で「次の信号です」と案内するのです。これ、とっても便利です。
位置の測位に自信が持てないために「次の」というワードを使えないカーナビが多い中、carrozzeriaは長年の歴史で培った技術で高品質なナビゲーションを提供してくれます。
地図の道路情報量が非常に多い
最後に、収録されている地図情報のクオリティも頭一つ抜けています。
実はカーナビメーカーによって利用する地図会社が違うという事実がありますが、carrozzeriaが採用する「インクリメントP」という会社の地図は最も情報量が多く、ルート探索にも有利です(インクリメントPはパイオニアの100%子会社です)。
違うメーカーのカーナビを2つ並べて同じ場所の地図を表示させると片方は道路が全くなかったりするなんていうことが、実はあるんですよ。
2.音質の高さや豊富なイコライザ設定などオーディオ機能も評価が高い
前述したように、もともとはオーディオメーカーということもあり、
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は、各メーカーのカーナビの中で見ても最高峰と言えるでしょう。
イコライザーも、「指でなぞってラクラク設定」なんていうことも可能です。
carrozzeriaにしかないオーディオの調整機能はたくさんありますが、特にシンプルで驚きもあるのは「タイムアライメント機能」でしょう。
運転席は車の左右中央にありませんから、左右のスピーカーからは距離が変わってしまいます。それを、発音タイミングを調整することで運転席に座りながら擬似的に中央に座っているかのように聞こえさせるのがタイムアライメント機能です。もちろん音量や、バランス/フェーダー機能も基本で備えます(もちろん楽ナビもです)。
車種によって最高の調整を音響のプロが施してくれたものを販売してくれるというシステムまで存在するので、本当に音楽にこだわりたい方にはcarrozzeriaはとてもおすすめできます。
弱点:操作感とサクサクさだけは首位は取れず
最後に弱点の紹介です。
carrozzeriaのカーナビ(特に上位モデルの「サイバーナビ」)は、多機能・高性能ゆえに操作のスピード感がやや重めです。
これは僕もサイバーナビを使っていて感じます(旧世代はかなり遅かったですが、最新モデルは驚くほど改善されました)。ちなみにエントリーモデルである「楽ナビ」ではほぼ感じたことはないです。
実使用でイライラするほどではないですし、あくまでもスマートフォン等ではなくカーナビですから、唯一の妥協点としてはむしろちょうどいいと思えるくらいではないでしょうか。
気になる方はお店に行って実際に触ってみましょう。
carrozzeriaのラインナップ
ここからは、carrozzeriaシリーズの中にはどんなカーナビがあるか、そのラインナップの紹介をしていきます。
先程もちらっとお話しましたが、
- フラッグシップモデルの「サイバーナビ」
- エントリーモデルの「楽ナビ」
の2つが大きな区分けとなっています。
各種モデルには型番に「W」や「L」が含まれたりするサイズ違いがありますが、サイズについての概要は下記記事を参照ください。
carrozzeriaと言ったらスーパーカーナビの「サイバーナビ」!
サイバーナビの概要
日本のカーナビの歴史を作ってきたと言えるだけの、多くのファンを掴まえ続けている高性能カーナビです。
「サイバー」という名前からも、近代的な雰囲気やデザインを大切にしているのが伝わってきますね。ホーム画面もスマートフォンのようなタッチアイコンを採用し、自分好みに自由にサイズや位置をカスタマイズできます。
その他carrozzeriaの機能は基本的に全て盛り込まれており、ドライブレコーダーやフリップダウンモニターなどとの連携機能も強いです。
サイバーナビの型番について
サイバーナビの型番はcarrozzeria製品全てに付く「AVIC」を除くと、全て「Cyber」の「C」から始まりますが、「C」の次のアルファベットでモデル種別、そのあとの数字でグレードと世代が判別できます(現在最新モデルはグレードは全て9~のみ)。
以下モデル種別の概要です。
※現在の最新モデルのみ対象としています。他にここ数年で発売されたものとして「~901」「~900」「~700」等があるので、この辺りはまだお店でも見かけるかもしれません。
一番下にある「-M」がつく特殊なモデルは、サイバーナビ本体の他に、「マルチドライブアシストユニット(MAユニット)」と「通信モジュール」が付属しているスペシャルパッケージです。
「マルチドライブアシストユニット(MAユニット)」はドライブレコーダーに様々な付加機能を足したもので、
- ドライブレコーダーの映像をナビと連動させてルート案内にも応用
- エンジンを切っている駐車中も車を見守ってくれる防犯セキュリティ機能
- 車の内側も撮影してくれることによるエンタメ機能の提供
などなど、ワンランク上のサービスを享受できます。
「通信モジュール」はカーナビが自動でインターネットに接続し続けてくれるようなものと理解しておけばだいたいOKで、
- 渋滞情報をさらにリアルタイムに大量収集
- 駐車場の満空情報やガソリン価格や天気など、その他インターネットで利用できる情報への接続
- 走行している場所などから自動で音楽をチョイスしてくれる「ミュージッククルーズチャンネル」などのエンタメ機能
などが利用できるようになります。
以上がサイバーナビ全体の大まかな概要です。
サイバーナビの地図や位置測位、ルート探索などのナビ性能は?
上でも話した通り、もともとナビゲーション性能全般において強みがあるcarrozzeriaですが、サイバーナビは楽ナビよりさらに強化されています。
公式サイトからも分かる通り、楽ナビには搭載させていない高性能な位置情報処理専用チップをサイバーナビには載せています。
早い話が、「ナビゲーションしてもらう」ということにおいて、サイバーナビ以上のカーナビの選択はないでしょう。
僕自身もサイバーナビを愛用していますが、位置ズレなどで悩まされたことは一度もありません。
また、実際のナビ画面でもその高性能さが発揮されています。
左右2つにそれぞれ色々なウィンドウを表示させたりと、メインとなる地図画面からアクセスできる機能がたくさんあります。
サイバーナビのオーディオ機能は?
こちらもフラッグシップモデルというだけあって、とにかく圧倒されるのはその設定項目の多さです。
「そんなところまで調整できるのか!」
と思うような内容がわんさか出てきます。
上述した「タイムアライメント」や「31バンドイコライザー」、「バランス/フェーダー」から「ハイレゾ対応」など基本的なものは当然揃っていて(それら自体も非常に高精度です。イコライザーが31バンドもあるのはサイバーナビとあともう一つ別のカーナビくらいです)、それに加え上記のような「ネットワークモード対応のスピーカー調整」などまで備えます。
カーナビを変えるだけでも車で聞こえてくる音質は格段に向上するのですが、スピーカーやアンプなど、よりオーディオ面のカスタマイズをしている人にはさらに所有欲の満たされる一品となるでしょう。
実は超売れ筋!お手軽だけど高機能の「楽ナビ」
楽ナビの概要
ここからは「サイバーナビ」ではなく「楽ナビ」の紹介です。
エントリーモデルという位置づけで発売されている「楽ナビ」は、カーナビとしての基本的な機能面は性能的に妥協することなく、趣味趣向要素の強いオーディオなどエンタメ機能などは抑制したモデルです。
サイバーナビはやや価格が張ることもあり、他社を意識した価格設定もされている楽ナビは販売台数的にもかなり売れ筋で、これからカーナビを買おうかなと思っている方にはまずおすすめしたい一品です。
楽ナビの型番構成と、細かいラインナップについて
楽ナビの最大の特徴として、個々の機能の有無などによって細かくグレードが分かれたラインナップが用意されている点が挙げられます。
※例によって最新モデルのみの掲載です。楽ナビはモデル数が非常に多いため、お店へ行くと混乱してしまいがちですが、必ず末尾の数字を見ましょう。サイバーナビと同じく新しい順に2→1→0で、それ以外のものはさらに旧世代のものです。
このように、型番後半の数字によってグレードがいくつにも分かれています(最初に付く「AVIC」はサイバーナビと同じく全て一緒です)。
グレードの違いは機能の有無、その他明記してある仕様だけですので、地図が違ったりルート案内が貧弱になる、音質が悪くなるなどは一切ありませんのでご安心ください。
ちなみに、楽ナビには「-M」が付くモデル展開は存在しません。
楽ナビの地図や位置測位、ルート探索などのナビ性能は?
エントリーモデルと言われている楽ナビですが、ここで注意するべきは、カスタマイズ性や拡張性こそサイバーナビには劣るものの、carrozzeriaが持つ「位置測位技術の高さ」は楽ナビにもふんだんに盛り込まれているという点です。
つまり、お手頃な価格で手に入るカーナビなのにも関わらずcarrozzeriaの強みは存分に利用できちゃうのです。
サイバーナビのときに強調した「部品の違い」なども気になるかとは思いますが、楽ナビも使ったことがある僕としても正直サイバーナビとの違いはあまり良くわからないレベルです(そもそも困るような状況になっていない可能性もありますが)。
ルート探索においても、細かい機能や表示の多さの違いなどはありますが、そんなにしょっちゅう「目的地と経由地を設定して…」などと複雑に使いこなす方も多くはないと思いますし、全く気にならない範疇だと僕は思います。
例えば、実は楽ナビでもサイバーナビのときに紹介した機能はほとんど持っているのです。
これらのようなメインのナビ画面での情報の豊富さに加え、
画面下部にフローティング表示させる「情報ウィンドウ」には好みの項目を設定させることも可能です。
「2秒ルール」といって、そもそもの地図や文字の見やすさに重きを置いている楽ナビは、むしろメイン画面のユーザビリティはサイバーナビを上回るかもしれません。
楽ナビのオーディオ機能は?
こちらも上記と似たような状況です。
カーナビに全てを求めている方でもない限り、楽ナビのオーディオ機能/能力に不満が出るということはまずないでしょう。
もともと社外品の高級スピーカーを取り付けているわけでもないのなら、おそらく日常で
ああー、サイバーナビじゃなくて楽ナビだからなんか音質悪いなー
などと感じることはないと思ってOKです。
蛇足ですが、僕はもともと音楽出身者ということもあり、オーディオの試聴などもよくやっていたのでcarrozzeriaが主催していたデモカー試聴でのサイバーナビと楽ナビの違いはかなりよく分かりました。しかし、全く動かない車内で最大級のセッティングをして(もちろんスピーカーやアンプ等も高級のものを用意)注意深く聴いた上での結果なので、普段車で音楽を聞く状況を考えたら普通の方には大差ないレベルかとも思っています。
ここはエントリーモデルという位置づけである以上、当然の状況とも言えますね。
先ほどもお話したとおり、楽ナビにも「タイムアライメント機能」などは搭載されていますし、バンド数こそやや少ないものの(それでも標準レベルです)「イコライザー」ももちろん存在。
むしろ、
「そんなに細かく設定するのは面倒くさいけどいい音で聞きたい!」
という方向けに「操作1つでお手軽にオーディオセッティングができてしまう」ような機能がたくさん搭載されています。
「カーナビを楽ナビに変えるだけで音質も良くなって、さらに音響の設定もカンタンにできてしまう」なんて、とってもおトクな感じがしますね。
carrozzeriaシリーズの選び方やおすすめモデルは?
では、サイバーナビや楽ナビを含めて「それらのラインナップからどうやって選んでいけばいいのか?」ということが気になってきますよね。
まずはじめに、単純明確なこととして余程デザインが気に入らないか操作のサクサク感を重視するわけでもない限り、サイバーナビ一択と言えるでしょう。
しかし、そうは言ってもお財布的にはすぐに手が出ない…。
そこで!!
地図情報量や基本的な位置測位性能もサイバーナビから継承する「楽ナビ」をおすすめします!!
carrozzeriaの一番のウリであるナビゲーション性能まわりも、エントリーモデルとはいえ楽ナビは他社のフラッグシップモデルにも負けない強さがあります。
オーディオ性能でもややサイバーナビには劣るものの、車でオーディオルームにしたいほどの方でなければ、楽ナビでもその高音質さの恩恵は十分に受けられます。
楽ナビなら価格も一気にお手頃になってまさにコスパ抜群と言えるでしょう。
上記モデルは楽ナビの900番台ということで、先ほど紹介した通り「機能全部盛り」モデルですが、もちろんここから人によってはグレードのみを下げてかなりの節約も狙えるでしょう。
僕の場合は「車ではテレビを見ないですが(そもそも家でも全く見ないのですが)、音楽はスマートフォンで聴くのでBluetoothは絶対欲しい」ということで、なんと100番台のモデルでいいんです。4万円台でこのカーナビが買えてしまうことに僕も改めて驚きです ↓
…というように、同じモデルなのにその中で細かくグレードが分かれているという特徴を上手に使うと、賢いお買い物ができるでしょう。
カーナビを迷っているあなたも、ぜひ楽ナビをいかがでしょうか?
あ、でもお金に困っていないならサイバーナビを買ったほうが絶対にいいですからね!!
まとめ
というわけで、carrozzeria(パイオニア)が展開する2つのシリーズ、
- サイバーナビ
- 楽ナビ
について、概要をお伝えしました!
まだまだコンテンツ不足であることは僕も十二分に承知していますので、これからもどんどん詳細な情報を書き足していきます。ぜひこれからのカーナビ選びにお役立てください。
それでは、ありがとうございました!