2022年の10月ごろに「引っ越しをする…!」とだけ決意し、結局 1 ヶ月ちょっとくらいですべての作業を終えました。
タスク管理や検討メモのために使っていたリストが自分の次の引っ越しでこの上なく役立ちそうだったことに気づき、「しめしめ」ということでもう丸ごと記事にしちゃう!というやつ。
いくらか「ねこがいる」「一人暮らしです」みたいな特定の条件によるものも含まれているものの、その他は少なからずみなさんの参考になれる部分があるのではと思っていて、特に昨今の住環境で最も重要な要素のひとつであろうインターネットの回線関連で失敗しないための諸々などはぜひ読んでもらえたらと思っています。
今回の引っ越し内容とか
家の間取りや広さを記載してますが荷物量の目安などのためのみです。他意はないです。
- 旧居住地:首都圏内
- 2LDK/54m2
- 転居先:地方都市(具体的な場所は伏せさせてください…)
- 3LDK/84m2
- 単身+ねこ2匹
- 移動:車
- 運搬したダンボール箱の数:56個
- 56個の内訳や前提条件などは後述してます
- トラックは 2 トンロングでちょうどパンパンくらい
- 家具家電もけっこう多めなので一人暮らしの方はこれを超えることは基本的にないと思っていい(トラックはロングじゃない 2 トンだと料金がガクッと下がるポイントがある可能性がある、一人暮らしで 4 トン車は芸能人でもない限りないと思っていい)
詰め込んだあとのトラックの写真。
以下、内容は
- 物件探し
- 引っ越し
- 退去~入居
という3つのフェーズでまとまってます。そのあと光回線の話が単独で章立てされていますが前後との絡みはありません。
最後「おトク情報」としてお金がもらえる系の話も書いてますのでこちらもどうぞ(胡散臭い話ではなく国からもらえるやつ!ぜひ読んで!)。
物件探し
- 自分でもともと溜めてある「次の家の条件リスト」と照らし合わせながら絞る、多くても 3 件までにする
- 条件リストは「物件情報だけでわかるし絞り込み条件にも使えるもの」「ネットで調べられるけど絞り込み検索はできないもの」「誰か (業者) に聞けばわかること」「行かないとわからないこと」などに段階分けしておくのがおすすめ
- 自然災害を中心としたリスク管理を忘れない(ハザードマップ)
- 地震(津波含む)
- 水害
- 台風
- ちなみに今回の条件マッチ率は 90% を超えていて、総じて満足度が高い引っ越しになった。自分なりのリストがあるとこのように定量的な評価もできるので精神衛生上よい
- 内見でやることを徹底的にリストアップしておく
- すべての寸法測定
- 間取図をでかめに印刷してバインダーにセットして持っていくといい
- レーザー距離計を絶対に買っておく(BOSCH レーザー距離計)
- これが使えない場所もあるのでもちろんメジャーも持っていく
- クローゼットの開閉に必要な領域、窓枠、カーテンの高さなども忘れない
- 不動産屋は意外と静かに待っててくれるので気にせず満足行くまで測っておいたほうがいい、絶対住まないなーと思った場所でもあとから急に第一候補になったりする(した)
- コンセント、光回線コネクタ類の位置確認
- 光回線の設備判定のためにコネクタの現物を確認しておく必要があるので(後述)、目視だけではなく写真を撮っておくとよい
- 騒音の実験(協力者がいるとベター(電話を使って電車が来たときに音が聞こえないか確かめる…など))
- 必ず昼と夜の 2 回行く
- 僕は今回行けなかったけど特に問題はなかった。どちらかというと「朝や夕方の特定の時間帯に子どもたちがたくさん登場するシーンがある」などスポット的な問題のほうが多いので、あくまでもリスク低減の可能性が上がるだけという感じかも
- 上下左右が居住済みか聞く、どんな人か聞く、家族構成だけでも重要な情報になる
- 個人で光回線(厳密には「光回線の光配線方式」)を引けるか確認する
- 光回線に関する説明はこの後の章でやってます。ここからジャンプできます(またすぐにここへ戻ってこれるリンクも置いてます)
- もし LAN 配線方式の物件を引いた場合、内見のときに実際に挿して速度計測をやってみると面白い
- 自分で回線を引かずに「マンション無料インターネット」などを使うことを計画するのは詳しくないのであれば絶対におすすめしない
- 数あるインターネット接続手段の中で最も酷いパターンがこれであると理解しておくといいです
- ごく稀に「UCOM光レジデンス」などのパターンもあるので実際に測ってみる価値はある(ネット上からはマンション名がわかっていてもここの調査はできない)
- 光配線方式もダメ、LAN 方式で実測したけどヤバそう、無料で飛んでる Wi-Fi はもちろん終わっているという八方塞がりの場合はドコモの home5G という選択肢もある
- 一瞬本気でこれを検討したタイミングがあったので本腰入れて調査をしてみたが、アップロード以外はわりと現実的な選択肢に思えた。シビアなゲームとかやる人は当然やめたほうがいい
- 17時などの定刻に鬱陶しい町内放送等がないか確認しておく(気になる人だけ)
- 付近に病院/警察/消防署などがあるか、ある場合よく緊急車両が通る道に面しているかの確認
- 日本列島の東西をまたぐ可能性がある場合 50Hz/60Hz 問題はよく確認しておく
- 駐車場の場所の交渉がどれくらい現実的か担当者とネゴっておく
- 場所が自由に選べるのは体感的にはかなり少なめ、機械式の場合は同じ枠の中で上中下などはわりと自由度高く希望できる印象
- 洗濯機の防水パンと蛇口タイプの確認、写真撮影
- ドラム式洗濯機を使う人は扉が開く方向と開閉範囲の確認も
- 鍵の引き渡し日と方法を事前に聞いておくとよい(遠距離引っ越しの場合郵送が対応可能か確認しておく)
- すべての寸法測定
- 内見は同じ物件を違う仲介業者で複数行くのがおすすめ
- 同じ担当者に何度も担当されると色々気にしてしまってお互いやりづらいし、得られる情報も変わらない
- もちろんどの業者から契約するかを決めるという本来の意味でもやれるといい
- 人気がありそうな物件の場合は早めに申し込む
- 「申し込み」は「保証会社が行う審査の開始」くらいの意味合いでしかないので、キャンセルは全然できる(実際にやった)
- もちろん迷惑をかけてはいけないので、できるなら「ほぼ確実に入居を決めていますので募集や公開を止めていただくことはできませんか?」など予約的なことができるか打診する(これもだいたいできる)
- 今回、第一希望の物件が内見当日になって「埋まりました」と言われたときの絶望は他の方には味わってほしくないです(結局そこよりいいと思えるところに行けたけど)
- 初期費用の見積書が出てきたら、特に単発払いで不要なものが計上されていないかよく確認する。防犯グッズなどは即「いりません」とキッパリ返答する。
- 消毒代とクリーニング費用がかぶっている場合は値切れることがあるらしい(僕は忙しすぎてもうそれどころじゃなくて素直に払いました)
- 「申し込み」は「保証会社が行う審査の開始」くらいの意味合いでしかないので、キャンセルは全然できる(実際にやった)
- 物件を決めたら計測してきた間取図を使って家具の配置を決める
- パワポでいいからパズルのように自由に動かせるものを作るのがおすすめ、コンセント位置や扉の開閉部分、窓の位置なども加味して検討する
- よくやるミスが「壁のスペースはあると思ったのに背が高い家具を置いたせいで照明のスイッチが死にました」なのでここも気をつける
- 上級者は採光まで考えて 3D モデリングまでやる(変態 (褒め言葉))
- パワポでいいからパズルのように自由に動かせるものを作るのがおすすめ、コンセント位置や扉の開閉部分、窓の位置なども加味して検討する
引っ越し
- 価格コムで引っ越しの相見積もり依頼を出す(実際に出した)
- 物件も日程も具体的じゃない段階でまず相見積もりだけ出す、繁忙期でなくてかつ日程に余裕があれば実質的な予約のような形になり精神的に安定する
- 実質アートかサカイの二択、どっちも来てもらって印象と価格で総合的に決める(二件目では効力の強い値引き交渉ができるのを忘れない)
- 一応気持ち的にはアートにしていた
- 一社目に来たサカイの印象がよかったのとその場で決めるメリットはありそうで即決したが営業に乗せられた感は否めなかったのと演技やパフォーマンスが目についたのだけ残念だった(対応やサービス内容はとてもよかったと思う)
- 「移動距離数百km、荷物量は冒頭記載」で税込み15万だった、これどうなんでしょう?自分は全然不満ない。
- 営業のパフォーマンスの件はかなり話のネタになるので需要ありそうだったら追記します
- 引っ越し本体は本当によかったです
- 引っ越し時に新調したい家具家電類がある場合、引き取ってもらえないか相談する
- 自分で車で運搬できるものは「資源回収センター」みたいな行政施設に持っていくと安いし(かかっても500円とかだった)タイミングも自由に選べてかなり楽
- サカイは引き取ってくれた、洗濯機が 5,830 円(リサイクル券)
- 電子レンジと炊飯器は断られた、適宜使用する業者で確認を推奨
- どうやって運んでもらうか相談するものをちゃんとリストアップしておく
- ダンベル(32kg * 2 個)
- 梱包せずそのままでいい(傷つくのが嫌な人はなんか適当に包めば OK)
- 懸垂器
- 玄関さえ通るならいいので上だけ外した
- デスクトップ PC
- バックアップを取っておく
- 自分でも十分と思えるくらいの梱包をした上でさらに梱包を頼む
- 自分で持っていける余裕があるならそちらのほうがいいと思う
- 超心配性な人は HDD 抜いておくといいかも
- ダンベル(32kg * 2 個)
- ダンボールは事前に購入しておくと対外要素なしに独立して梱包作業を進められるのでラク、見積もりに来てもらったタイミングでダンボールもちゃんともらっておくとよい
- もらえるダンボールはどれも比較的サイズが小さめなので、自分で買うのは大きいものにしておくとあとがかなり楽になる
- 自分は今回 56 個でした(以下条件:男一人暮らし&ねこ二匹 / 物は少ないタイプだが収納がかなり広かったため日用雑貨などは多め / 実家からの荷物もほぼ持ち込んでました / 服はチェストとクローゼットにかけっぱなしなので含まない / 小さいダンボールなども含むので誤差 ±10 くらいはありえる)
- ダンボールへのメモ書きは上面だけではなく横の 4 面全てに書いておく(ここの手間を惜しむと入居後予想以上に苦しむことになる)
- 引っ越し当日の計画を十分に立てておく
- 自分はペットがいてなおかつ車で長距離移動だったので重要でした
- その日到着したらとりあえず寝られる環境だけはすぐ作れるようにするため、照明、カーテン、ペットグッズ類などは一箇所にまとめて梱包してすぐ開封できるようにしておく
- 実際は一箱にまとめるなんて無理なので、「その日にすぐ開けるもの用」のわかりやすいラベリングやマジック書きなどをしておくとよい
- 前日までに冷蔵庫の電源を抜かなければならない、常温で死なないもの以外は計画的に食べ終わっておく必要がある
- 退去立会いがあるので掃除機や雑巾などのお掃除グッズを最後に残しておくのを忘れない
- 遠方への引っ越しの場合は日をまたぐ契約になることがほとんどで(運送担当者の拘束時間的に)、この場合は自分(やペット)の宿をどうするか事前によく考えておく必要がある
- 僕はホテルを取りましたが、移動に使おうと思っていた自転車がよく考えたらもう積み込み後で存在していないことに直前で気付いたりしたのでその辺抜かりなきよう。
- 突如として現金が必要になるイベントが発生する可能性が常にあるので、そこそこ保管しておくとよい
- 自分が知る限り引っ越し代は当日現金のみがほとんど
- ガスの閉栓時に精算も一緒になることが多く、現金が必要(この辺は次の「退去~入居」でも書きます)
退去~入居
- すべてをギリギリまで退去時と入居時にスパッと切り替えるのは現実的に難しいし疲弊するため、先に物件だけ契約しておき併存期間があると色々楽(もちろん各々の経済状況によりけりだけど)
- 実際の引っ越し日より前のどこかのタイミングで 1 日だけ確保しておき、その際に下記の各種開通手続きや大きな新規購入物の受け取りなどを行うのがおすすめ
- その場合新居の鍵を先に受け取る必要があるため、郵送の対応ができないか交渉する(だいたいいける)
- もちろん家賃は日割りで多少払うことにはなるがそれだけのメリットがある、と自分は思う
- 実際の引っ越し日より前のどこかのタイミングで 1 日だけ確保しておき、その際に下記の各種開通手続きや大きな新規購入物の受け取りなどを行うのがおすすめ
- 現住所の不動産屋には迷惑がかからないよう早めに「転居すると思います」と連絡しておき、引っ越しの日取りまで全部決まった辺りで退去立会いの予約をする
- 契約の約款に明記があるはずだが、多くの賃貸借契約は「遅くとも転居の 1 ヶ月前には連絡しなければならない」となっているはずです
- 退去
- 電気
- ネットでできた
- 立ち会いなし
- 電気は退去立ち会い日まで通しておくとよい(給湯器等のトラブル防止、暗くて敷金返還の話が正確にできないことなどの防止)
- この場合ブレーカーを落とすところまで自分でやることはないかも(やらなかった)
- 水道
- ネットでできた
- 立ち会いなし
- ガス
- 申し込みは電話オンリーだった
- 立ち会い必要
- その日までの精算がある
- 特にプロパンガスの場合は「預り保証金」というのがあるので 1 万~ 2 万程度のデポジットが返ってくることが多い、実際はこれで上記の精算は賄える
- 預り証なんか当然なくしてるか梱包済みだろうが特に問題はない
- 電気
- 入居
- 電気、水道、ガスのいずれも、今回はすべてネットから手続きができた、日程や時間帯の調整の融通もかなりきく
- もちろん自治体によると思います
- 「ガス開通の立ち会い時に電気と水道が必要」というトラップがあるので、同じ日にいっぺんにやろうとしている場合は時間帯の調整が必要になる
- 電気は大手電力会社(いわゆる「◯◯電力」のタイプ)で申し込もうとするとどうやっても強制的に NHK の契約へ誘導されてしまうケースがあるようなので、その場合は最初から別の電力小売事業者で開通を始められないか検討する
- 「契約を勧められるだけで強制ではないパターン」もあり(今回の自分はこれだった)、この場合は最悪でも「新規入居者のデータが NHK に転送される」までと考えられる。転居先がマンションなどでオートロックがあるなら実際の問題は発生しないはずなのでここを許容ラインとするのは全然あり
- 各ライフラインの業者は「だいたい 7 日前~ 14 日前に連絡してもらえるといい」という目安だったっぽい(業者によるとは思う)
- それぞれの連絡先(使用業者)は物件契約時に案内してもらえるのが普通
- 電気は変えたいケースが多いが最初はデフォルトの業者と一旦契約してからやったほうが色々都合が多いことが多い(特にアンペア変更が絡む場合)
- ガスで自由に選べるのは実質都市ガスだけなので注意(プロパンはもともと自由競争状態だが管理会社やオーナーが変更リクエストに対してわざわざ YES と答えるメリットがほぼないので)
- 立ち会い必要可否
- 電気:立ち会い不要
- 水道:立ち会い不要
- ガス:立ち会い必要
- 先ほどと同じく新居の開栓時に 1 万~ 2 万程度現金での保証金支払いを求められる可能性があるので現金は十分に用意しておく
- 電気、水道、ガスのいずれも、今回はすべてネットから手続きができた、日程や時間帯の調整の融通もかなりきく
- ネットだけは ONU など返却物があるので固定回線がなくても数日なら耐えられるならあらかじめ契約を切っておいてもいい
- 今回の自分の場合、撤去に工事が不要で料金の日割り削減考慮もなかったので「光コンセントから光ケーブルを引っこ抜いて ONU ごと持って引っ越し、後日新居から返却する」という手筈になった。ゆえに光回線のダウンタイムは一瞬も発生していない
- ちなみに今回プロバイダーは So-net から GMOとくとくBB光 に変更した
- 自分は光コラボの使用が前提です
- とりあえず郵便局への転送届けの優先度を上げる
- その他各サービスなどの住所変更はほぼネットでもできる
- 会社への手続きもお忘れなく
- 転出届と転入届を出すときにはマイナンバーカードを持っておくとよい
- 電子証明書の暗証番号類(4 桁数字のみ+6 桁以上英数字の 2 種類)を確認しておく
- 転入届は入居してから 14 日以内に出さないと罰金~ 50,000 円の可能性ありです
- マイナンバーカードの住所が更新されたらその足で免許の住所変更もやれるといい(住民票がなくてもマイナンバーカードの記載で証明可能でした)
- その他
- 引っ越し後に物件や家財に損傷を発見した場合はすぐに連絡する。多くは作業完了後数ヶ月以内まで連絡が認められており(約款に明記されているはず)、「自分が原因ではないであろうこと」「具体的にどうしてほしいか」「約款や契約時の補償内容の提示」などを行うことで十分な対応が望める
- 今回自分も床にキズがあるのを 3 日後くらいに発見したが、すぐに確認しに来てもらい、結果としてそれは先方の過失ではなかったことに僕も合意したが(もともとあったらしい)、確認不足など向こうも多少の責任を感じのもあったらしく「じゃあダンボール、持っていってくれたり…しません?」と言ったらあっさり OK がでた(本来 3,300 円の有料サービス)
- 引っ越し後に物件や家財に損傷を発見した場合はすぐに連絡する。多くは作業完了後数ヶ月以内まで連絡が認められており(約款に明記されているはず)、「自分が原因ではないであろうこと」「具体的にどうしてほしいか」「約款や契約時の補償内容の提示」などを行うことで十分な対応が望める
メモは以上です!
光回線が意味不明な人のための色々
※上で読んでいた場所に戻りたい方はこちらからどうぞ
というわけでインターネット関連の話。
ここの話を知ると「そもそもなんで同じプロバイダーを契約しているのに回線速度にすんごい差が出たりするんだぜ?」とかもだいたい全部わかるようになります。
まず理解すべきこと
全体を理解するために最初に知っておくべきことをまず説明します。2つです。
1. お家に回線を引く方式は3つある
一般的な住宅でインターネット(の固定回線)を使いたい場合、方法は大きく3つにわかれます。
- 光配線方式:
自分の部屋(101号室とか102号室の単位の部屋)まで光ケーブルで回線が引き込まれているタイプ。最も実速度と安定性が高く、ネット多用者なら必須と考えていいでしょう。いわゆる「光回線」とはこれのこと(だと個人的には思ってる)。「光コンセント」が目印です(後述)。 - LAN 配線方式:
おおもとの途中までは光ケーブルだけど各戸までの引き込みは LAN ケーブルで配線されているタイプ。名前の通り壁に LAN 端子(RJ45)があればこれ。見かけ上の速度の理論値は光配線方式と同じであることもあるが実際に出る速度は著しく落ちることがあり、混雑にも非常に弱い。そして悲しいことに大規模な集合住宅に採用が多め。 - VDSL 方式:
要は電話線でインターネットにつなぐ昔ながらのやり方の系譜です。たぶんこれに出会うことは(このブログの読者層的にも)ないと思われるので詳しい解説は省きます。
これを「光回線方式」といい、原則この3つのどれかに該当することになります(固定回線じゃないので無料で飛んでる Wi-Fi などはこの軸で語るものではない)。
言うまでもなく光配線方式を狙うのが目標、と覚えます。「光回線方式の中に光配線方式というものがある」のでとてもややこしいですが、別に名前は覚えなくても問題はないです。もう少し後ろで候補の物件がどの方式であるかの見分け方を説明するときにどれがどれだかわかっていれば OK です。
光回線の方式が違うとそこでまず回線の速度と質が天と地ほども変わります。方式が同じでも集合住宅内の戸数がいくつであるのか、共有設備部分がどうなっているのか、最終引き込み部分で共有されている他の部屋の人の使用状況などなど、変動要素は多分にあります。自分の家に入ってから変わる部分は他に比べればそう多くないです(無線は別)。
さらに詳しくて細かい内容を知りたい方はこのエントリーなどをどうぞ。
2. 「光回線事業者」と「プロバイダー」の関係、光コラボ、それ以外 (NURO)
インターネットを使用するにあたり色んなサービス名やら業者名やらを聞くと思いますが、その分類をここで雑に示します:
- 光回線事業者
- フレッツ光(東日本/西日本)(NTTとも)
- au ひかり
- NURO
- 専用タイプのマンションインターネット(上でちらっと話した「UCOM光レジデンス」などが該当)
- プロバイダー事業者
- ドコモ光
- au光
- ソフトバンク光
- OCN
- Yahoo! BB
- BIGLOBE
- So-net
- GMO光アクセス
- とか色々…
この分類だけわかっていれば生きていけます。
さらに、昔はそれぞれを選んで2つを1セットで契約しなければいけなかったですが、現在は「光コラボ」によって契約は1つにまとめられるようになったことも覚えておきましょう。
光コラボの最もわかりやすい理解は「格安SIM」で、「フレッツ光が提供している光回線のインフラを So-net が借りながらサービスを売っている」と思えば OK。なので僕らは So-net とだけ契約すればいいわけです。しかしこのときに光回線の光配線方式がないとそのインフラも享受できないから「光コンセントを探しましょう」となる、です。
(実際には格安SIMのように本流のサービスより劣ったりすることは光回線業界では基本的にありません)
NURO は話題になったこともありみなさんもなんとなくよく口にすることが増えたと思いますが、これはプロバイダーではなく回線事業者であることに注意してください(独自インフラ)。これまで「光でのインターネット接続といえばフレッツ光」というデファクトスタンダードだったところに新参者が現れた形です。なので So-net と NURO が同列で語られるのも厳密にはちょっとおかしい。
この流れでここをまとめますが、NURO は(最近の騒動で人がいなくなって快適になる可能性を考慮したとしても)除外して考えていいので、やはり基本的にはフレッツ光ベースの光コラボだけで検討するでいいと僕は思います。au ひかりは遜色ないですが一般的には「フレッツ光のほうがやや総合的によい」という風潮です(主観)。
あとは候補の物件で「どの光回線方式」で「どの光回線事業者」が使えるか調べるだけ
ここまでの情報を把握したらあとは自分が住みたい物件での調査に当てはめるだけ。
まず光配線方式。
光回線方式のうち選ぶべき優先順序は
光配線方式 > LAN 配線方式 > VDSL 方式
であることはもうみなさんはご存知なので、あとは内見に行ったときにその物件がどの方式なのか判定できればいいわけです。
そしてこれは簡単で、リビングにあるインターネット接続端子(テレビ線があるコンセントの付近によくある)を見れば一発でわかります。
光配線方式:
光配線方式では「光コンセント」というものに「光ケーブル」挿して ONU(回線終端装置)と接続します。厳密には違うものですが「モデム」という言葉のほうがイメージを掴める方もいるかもしれません。あとは ONU と自分のルーターを LAN ケーブルで繋げば有線も無線も快適なインターネットが使えます。
LAN 配線方式:
右上にあるのが LAN 端子です。PC についているいつもの端子と同じものが壁にあれば LAN 配線方式と思って(基本的には)いいです。
VDSL 方式:
VDSL 方式に使わるのはモジュラージャックの RJ11 のほう(いわゆる電話線)のものです。これの現物を見られることはそうない気がします。
前述の内見時のメモで「インターネット関係のコネクタ部分を写真に撮っておくとよい」と描いたのはこれらの判定のためでした。そのほか、固定回線とは別に無料 Wi-Fi が飛んでいる場合はそれのあり/なしの情報も一緒に写真に収められるメリットもあります。
これは例として最適な写真の1つで、
- 右側に光コンセント(一体型タイプ)
- その左隣の下が LAN 端子
- その上の電話マークがモジュラージャック(VDSL 用)
- さらに上にあるシールがマンション無料 Wi-Fi
と全てが揃っています。なんと今の僕の家です。写真で見えている情報から無料 Wi-Fi を総当たりで拾いに来ようとしても無効化してるからムダですぞ。
最後に光回線事業者。
…ですが、これは光コンセントがある時点でフレッツ光(か au ひかり)の使用がほぼ 100% 可能であることを示しています。
念のため個別で調査したい人、内見に行くより前に事前調査したい方はフレッツ光と au ひかりの調査サイトで該当の住所や集合住宅名を入力するだけでわかります。
- 東日本に住む人:フレッツ光 NTT東日本の提供エリア確認サイト
- 西日本に住む人:フレッツ光 NTT西日本の提供エリア確認サイト
- au ひかり:提供エリア確認ページ
- (おまけ)NURO:導入済みマンション検索
以上で「ほぼ確実に安定した光回線が約束される状態」になりました!
※上で読んでいた場所に戻りたい方はこちらからどうぞ
おトク情報
最後おまけだけど重要な話。
首都圏から地方に引っ越す場合、国が実施している「地方創生支援」というものの一環で最大 100 万円くらいもらえることがあります。
https://www.chisou.go.jp/sousei/ijyu_shienkin.html
もちろん色んな条件をクリアしないといけないのですが(主に居住地/勤務地/転居先が合致するかがメイン)、これをクリアして申請するだけで数十万~数百万をもらえるのは美味しすぎます。こういうの義務教育で教えてよね。
僕はまだ申請していなくて(引っ越し後最低 3 ヶ月は居住してからじゃないとダメ)、実際の条件に合致するかはちょっとグレーなんだけど会社をうまく味方にしつつ押し切る予定です。この辺りでまたノウハウ的なのが出てきたら記事書きますね。
場所にもよると思いますが、地方都市ってすごくいいですよ。僕はもともと人が多いところが嫌いなので首都圏とは相性が悪いタイプだったとは思いますが、引っ越してから本当に色々心地よくて満足度がとても高いです。
みなさんも新しい人生をぜひどうぞ。
この記事へのコメント
回線の話がためになりました!
ありがとうございます!
はい、回線の部分はこの記事に限らずもっと読んでもらえたらなーと思っているところでした。ぜひ次の引っ越しのときにもお役立てくださいね。
ちょうど引っ越しが迫ってきていたので全体像が俯瞰出来るのすごく助かりました!
実際に引っ越しされる方に読んでいただけて嬉しいです!
少しでもお役に立てましたら本望でございます~