ブラウザ内だけでなくスマホ全体で広告ブロックする方法についてだよん。
VPNを使う
Webページ上で表示される広告をブロックしたいならブラウザに関連する機能で広告ブロックをすればいいですね。
代表的なのはAdBlock Plusのような拡張機能、BraveやSleipnirのようにブラウザ自体で標準ブロックしてくれるもの。最近だと僕が愛するVivaldiも搭載されたよ。

広告ブロックはブラウザ内で完結するのでスマホは関係ない。
しかし、これではインターネットブラウザを使わないもの(≒色々なアプリ)を利用するときは広告ブロックがなされません。当然だよね。
そこで「VPN」というものが登場する。
ある仮想的なネットワークを仲介しつつインターネットの通信をすることで、これによって「その仮想ネットワークが持つさまざまな恩恵を受けながらインターネットを利用できるようになる」わけですね。
※厳密な定義は違います。近年言われる俗称としてのVPNのニュアンスに近いです。

各アプリより外側でガードするのでスマホ全体で広告ブロックできるようになる(イメージのためにYouTubeのアイコンを置いてますが、現状YouTubeの公式アプリ内の広告をブロックするまともな方法はないです)。
お察しの通り、広告をフィルタリングする機能を持ったVPNを間借りさせてもらうという構図になります。
こうなると特定のアプリケーションに依存せず「インターネットに接続するときは全ての通信がそのVPNを通過するようになる」ので「Twitterだろうが2ちゃんまとめだろうが広告っぽいものは全部弾いてくれる」ことになる、と。
特定のアプリを使うとVPN(DNS)の設定がカンタン
じゃあそのVPNってどうやって使うのよという話になるわけですが、これは特定のアプリを入れてボタンをポチッとするだけでOKです。
どうしても新しいアプリをインストールしたくないという奇特な方には朗報があります。
iPhoneの「設定」→「VPN」へ行けばそれっぽい設定があるのが分かると思います。今回紹介するアプリで行っているのはこのVPN構成をイイ感じにまるっとセッティングしてくれているというイメージです。もちろんAndroidも同様。だいたい「接続」とか「ネットワーク」とかの中にあります。
まあそうは言っても他に設定可能な項目があったりするし、アプリ自体はとても信頼の置ける優れたものだと思うので僕はインストールした方がいいと考えます。
使うアプリだけど、今回は2つ紹介します。
前者はネット上でもそこそこ有名なので知っている方が多いかも、後者はたぶんマイナーです。どちらも iOS版・Android版 があるので今回の考え方でスマホ全体の広告ブロックが可能です。
AdGuardはGoogle PlayストアでiOS版と同じものが配信されていないので上記でもリンクを掲載していません。「じゃあどうやってインストールするの」というのと「なぜGoogle Playストアで配信されていないか」は後述します(危険なわけじゃないので安心してください)。
それと、Google Playストアで「AdGuard」と検索したときに一番上に出てくるもの(これ)は名前も開発元も同じですが中身は別物(ごく狭い範囲の広告しかブロックしない)ので注意してください。
以下これらの紹介をする!
それぞれのアプリの使い方と比較
1個ずついきます。
AdGuard
たぶん2ちゃんでよく名前が言及されていたのでそこそこ有名になったものと思われる。ロシアが発祥ですが今はキプロスという国に拠点を置いているらしい。
微妙に中華っぽさを感じなくもないですがちゃんと老舗の広告ブロッカーで、iOSだけじゃなくてほぼオールクロスプラットフォームで評価を得てますね。
前述したAndroidの件ですが、Googleが「プラットフォーム全体で広告をブロックする機能を持つものはPlayストアで配信しない」というポリシーを定めたので手動でインストールしか方法がなくなりました。
そんなわけで、本家のこのページからapkファイルをダウンロードしてきて自分のAndroidにインストールする必要があります。
apkファイルからAndroidアプリとしてインストールする方法はたまたま以前に別の記事でまとめたのでそちらを参照してください。
アプリはこんな感じ。

機能的でいながら視認性のよいUI、僕の好みです。
無課金状態だとブラウザ内の広告ブロックしかできないのでiPhone全体でブロッキングしたい場合は月100円が必要です。
このあとに紹介する「Trust DNS」は上手く使えば無料で全体ブロックできますが、敷居はちょびっとだけ高め。各自でご判断されるとよいかと。ちなみに変態なので僕は両方払ってます。
AdGuardは課金するとメニュー項目が分かりやすく増えて、基本的にはここをポチポチするだけであとはよろしくやってくれます。
上図の下の方にある「AdGuard VPN」というのはいわゆる広義の意味でのVPNで、匿名性維持などの目的で使う方のやつです。広告ブロックと併用できるとのこと。興味ないのでこっちは使ったことありません(別アプリ)。
ONにすると
こんな画面になり、現在のブロック状況を可視化してくれます。試しにどこかのサイトへ行ったりYouTubeを見たりすると数字がもりもり増えていくので恐ろしくなります。でもこういうの効果あるの分かって嬉しいよね。
さらに細かい制御を望む場合、
「DNS通信を保護」をタップすると実はもう一段階潜れます。
この中で主に使うことになるのは「DNSサーバー」というやつ。
つまり冒頭で話した部分、どの広告フィルタリングサーバーを経由するのかの指定ということ。
次に紹介する「Trust DNS」はこのフィルタリングサーバーの選択肢がすげぇいっぱいある、という強みを持ってます。その分適切な選択をしないとネット自体が普通に繋がらなくなるので十分に試験運用をしてください。「敷居が高い」と言ったのはこの話。
というわけでAdGuardにもどんなサーバーがあるか見てみますが、
広告ブロックに使えそうなものはあまり多くないという印象。でもデフォルトで選ばれている「AdGuard DNS」というのが十分優秀なので問題ないかな?
下の方にアダルトコンテンツ専用のブロックサーバーがいくつかあるんですが、そういうのが好きな人はいじってみると楽しいかもしれません。僕は使ったことないので良い情報があったらあとでこっそり教えてください。こっそりね。
Trust DNS
こっちはさっきも言った通り、広告ブロックのためのDNSサーバーを多数の選択肢から自由に選べる、という趣旨のもの。
ちなみにアプリのソースコードが公開されていて、その透明性からか評価はとても高いです。
で、メイン画面はこんな感じ。
同じく全体のスイッチがiPhone側のVPN設定のON/OFFと連動してます(アプリ側から切ってもiPhone側は完全には追従しないけど)。
設定でできることもほぼなく、できることはさっきから言っているDNSサーバーの選択くらいです。課金してできることは大したもんじゃないので今回は割愛します。
DNSサーバーの一覧を見てみましょう。
じゃん。
右端のスクロールバーを見てくれ。

見づらいね。。
死ぬほどあるね!!
ある程度の数を片っ端から接続して試してみたりした結果、一般的な広告ブロックに適しているのは「adguard-dns-doh」というやつでした。
そう、なんとこれさっきのAdGuardで使っていたDNSサーバーと関連したものでは…?という。(今回記事書いて初めて気付いた)
追記 (2022/4/15) :この追記を行う数ヶ月くらい前からこのDNSサーバーを適用するとネットワーク接続そのものができなくなる症状があって使用をやめていたのですが、いま久しぶりに確認してみてもやっぱりまだダメでした。(ロシアのDNSだったようなので世界情勢が関係している説が濃厚です)
というわけで今は「adguard-dns」というのを使っています。これもロシアなんだよな…笑(ただしプロトコルは違う)
またなんかあったら追記しまーす!
これをまとめると、「これよりさらに良い広告ブロックDNSサーバーが見つかるか、もしくは状況によって切り替える用途がない限りはAdGuardを使えば十分」という話に思えますね。
ただ本当言うとこのDNSサーバー全てに対して「どれがどれくらい広告ブロックできるか」とか試したいところですが、さすがにそれはやれてません。PCなら自動化してテストできるんだけどな…。
というかこのアプリはもともと広告ブロックが主目的ではないので、普通に(狭義の意味での)VPNとしての感覚でサーバーを切り替える用途が向いてそうです。

この辺とか明らかに特定の目的向けだもんね。
そんなわけで、もし色々試した方がおられましたらぜひ情報共有ください。検索に "ad" ってワードを打ち込めばそれなりに取捨選択できますよ。
おわりに
普段のブラウジングやアプリ内の広告は全然気にならないけど、最近のYouTubeマジでヤバいじゃないですか。僕は普段スマホでYouTubeってほぼ見ないのでまだいいのだけど、たまにシェアされてきた動画を外でどうしても見たいときとか開いた瞬間に絶望する。
というか世間の人はよくこれだけ広告だらけなのにスマホでYouTube見てるなと関心してしまいます…。儲かるわけだ~~~
ちなみにYouTubeは普通にブラウザで閲覧するだけで広告ブロックできるので公式アプリは捨ててもいいと思っていますよん。
おわりです。