なにか新しいものを買おうと思ったときは、そのラインナップの多さに「なにがなんだか分からない…」となるのはよくあることですが、カーナビに関しては特に悲惨です。
理由として、
- 普段から意識して使うものではない
- 他の人がどういうものを使っているか知る機会が少ない
- 電気屋さんなどで売っていないので普段見かけない
- そもそも話題にならない
などなど、かなり残念な状況にあるからです。
で、いざカー用品店などに行ってズラッと並んだカーナビに圧倒されていると、ちょっと触って良さそうと思ったのを買ったら精度がめちゃめちゃ悪かったり、嫌らしい店員さんに余っている在庫を上手く売りつけられちゃったり…。
ちなみに、「カーナビが売っているお店」は一般的には「カー用品店」だけです。
というわけでこの記事では、「たくさんあるカーナビメーカーは一体何が違うのか?」というところに焦点を絞り、カーナビ販売者だった僕がお客さんから実際によく聞いた声なども併せ、紹介していきます。
先に言っておきますが、お店へ行ってそこでなんとなく触って気に入ったものを選ぶと、あとで後悔する可能性が非常に高いです。そうならないためにも、情報収集はゆっくりやりましょ。
メーカーが違うと何が違うのか
カーナビを選ぶ上で気になるのが、「メーカーが違うと何がどう変わるのか?」というところ。
「カーナビ自体のそれぞれの違い」も気になると思いますが、そこは気にする必要はほぼないです。カーナビはメーカーごとに本当に特色が分かれていて、メーカーが同じならグレードやモデルが変わっても趣旨は一貫していることが主な理由です。
というわけで、以下経験に基づく「主な違い」を列挙してみます。
位置の測位精度:自分の位置の正確さ、信頼性
最も違うのはここです。
「測位精度」とは「自分の位置をどれだけ正確に認識することができるか」、そして「それを素早く継続的に安定させられるか」まで含みます。後半は僕の勝手な解釈ですが、まあ「位置に関する全ての性能」という意味では間違っていないでしょう。
みなさんこんな経験はありません?
- バイパスなど下道(したみち)を走っていたはずなのに、上で並行して走っている高速に乗っていることになっていた / 高速になったり下道になったり安定しない
- 案内されているルートから逸れた道を走り始めたとき、本来走っているはずの正しい道を一向に表示してくれない
- 交差点が多くて、曲がろうと思っている角がどれなのか分からない
- 地下道でしょっちゅう自分の位置が止まる
などなど…。これは全てカーナビの性能の問題です。測位機能に秀でたナビならこういう問題は一切起きません。
というわけで、ナビゲーションが目的でカーナビを買うなら、ここを第一番の優先事項にして商品を選択するべきです。
気をつけておきたいのは、店頭でちょっと触ったくらいじゃ一番分からないのが「測位精度」とかの性能であるということ。
「最も気にしなきゃいけないポイントを最も確かめることができない」というのがカーナビ選びのやっかりなところなので、肝に銘じておきましょう。
地図情報の差:道路の収録量と質に差がある
ここは公には一切公表されていないというか、そもそも一般の方は考えたことがないと思います。
カーナビに使われている地図の情報元は、実はメーカーによって採用している地図会社がそもそも違うんです。なんで違うのかというのは色々理由があるので割愛します。
問題はその地図情報によって「恐ろしいほど道路情報の質に差がある」というところで、僕が以前見たとある地図会社同士の比較画像だと、「一方はある敷地内の道路が全て収録されているのに対して、もう一方はすっからかんで道路は一切なし」なんていうのもざらにありました。
…ってことは、案内できるルートも当然変わってきますよね。道路が多いほど良いルートを選択できる可能性が高いのは言うまでもないです。
で、実はお店に行けば店員さんはぶっちゃけてこの辺の話をどんどんしてくれますので、情報だけ店舗で集めて本体はネットで安く買いましょうw
音質:音を創るのはカーナビ本体
カーナビですることといったら大きく2つありますよね。
- ルート案内/地図検索
- 音楽を聴く
というより、使う頻度で言ったら音楽などメディアコンテンツ類を楽しむことの方が多いはず。多くの人が重視する項目であることは間違いありません。
細かな機能の差や「なにが繋げる/繋げない」などは置いておき、カーナビメーカーによって大きく変わるのが「根本の音質」です。
なぜかカーナビメーカーには「もとはオーディオメーカーでした」という会社が多く、そういった意味でも各社音質をウリにしているパターンが多いです。実際ここを楽しみ始めてしまうと、普段のオーディオと同様、泥沼です。
が、大事なことも言っておきます。
おそらく、普段からオーディオを専門的に趣味として楽しんでいる人でもない限り、カーナビ本体を変えるだけで得られる差は微々たるものです。注意は2つ。
ひとつめは、そもそも「最終的に聞こえる音に関わっているのはナビ本体だけではない」ということ。
つまりは、本当に音を変えて楽しんでいきたいなら「ナビを変えた後にスピーカーを変えて、アンプを入れて、サブウーファーも積んで、デッドニングして防音、ケーブルも変えて、ソースはハイレゾにして…」とか結局いつもと同じ感じなんですよ。笑
そしてそれも踏まえてふたつめ。
多くの人がそこまでしないことを考えると、「音質」の優先度合いを上げてカーナビ自体をチョイスするのはやや危険というかもったいないわけなんです。
「なんとなく良い音で聴きたい」くらいに思っている方がほとんどだと僕は思っているので、音質面からのアプローチはあまり気にしないほうが吉です。というか、最近のナビはどれもめちゃめちゃ良い音しますしね!
操作感とUI:大事にしたい部分だが、バランスが難しい
実際にカーナビを触ってみたときの操作感はとても大切です。
タッチ操作などのレスポンス、全体の動作スピード、メニュー類などのボタン配置、普段のメイン地図画面の使いやすさetc...。
これらは日々体感することになるので、日常的なストレスの度合いや、ひいてはそのカーナビをちゃんと使い続けることになるかというところまで関わってきます。
が、ことはそう簡単ではなく、特に「操作感」などはやっぱりその他の性能、質とトレードオフの関係であることがほとんどです。ここのバランスが非常に難しくて、ナビとしては使いものにならないけどサクサク動くものにするのか、ルート案内はバッチリだけどそこまで素早くないものにするのか、など…(もちろん実際はそんな両極端じゃないですよ)。
また、カー用品店などのお店へ行って実際にちゃんと確認できる唯一の項目と言ってもいいかもしれません。だけどくれぐれも、ここだけの所感が選択理由の大部分にならないよう気をつけてくださいね。
こういった点も気にしながら、次からの項目も併せてカーナビを選んでいけるといいでしょう。
各カーナビメーカーの紹介
では、ここからは各メーカーごとのラインナップを紹介していきます。あまり細かくなりすぎないようメーカーごとの特色をメインに書いているつもりです。
※「代表モデル」では各社の売れ筋モデルを紹介していますが、ほぼ必ずと言っていいほどそれぞれに「7インチモデル」と「7インチワイドモデル」、「それ以上」が存在します。これらは取付可能な車種が決まっていますので好きなものをどれでも選べるわけではありません。
サイズの概要と、自分の車に取り付けられるサイズを知る方法などについては以下の記事で説明しています。これは欲しいカーナビを考える段階から要チェックです。
以下、「カーナビとしてのブランド名(メーカー名)」という見出しで紹介していきます。
carrozzeria(パイオニア)
概要
一番始めにご紹介するのはカーナビ業界でトップに売上を上げているcarrozzeria(カロッツェリア)。メーカーはオーディオで有名なPioneer(パイオニア)で、carrozzeriaはそのカーエレクトロニクスブランド名です。
最も歴史あるカーナビとして、会社のキーワードにもなっている「世界初」な技術をたくさん提供していきます。その甲斐あってか一段とファンの方も多く、「何十年も前からcarrozzeriaしか使っていないよ」と言っている方もたくさんいました。お店でもかなり大きく販売面積を取っていることでしょう。
みなさんが予想するcarrozzeriaのカーナビの一番のウリは、もともとオーディオメーカーということもあって「高音質さ」などだろうと思うところでしょうが(実際にその向きもあります)、僕が思うズバ抜けている点は位置測位精度の圧倒的な高さです。精度の高さでいったら純正まで含めても首位を取れるメーカーであると断言できます。
パイオニアの地図情報は、子会社である「インクリメントP」というところの地図で、国内カーナビメーカーの地図ソースでは最も優秀な地図会社です。子会社に地図会社を持っているメーカーもパイオニアだけなので、ここに最大の強みがあると言ってもいいでしょう、
このあたりは以下の記事に詳しくまとめていますのでぜひご覧ください。なぜ「自分の位置が飛んだりしないか?」などを解説しています。
大きく分けると2つのラインナップが存在しており、フラッグシップモデルである「サイバーナビ」、エントリーモデルである「楽ナビ」から自分に合ったものを選ぶことができます。
代表モデル
こちらがフラッグシップにあたる「サイバーナビ」という方で、機能全部入りの最強ナビです。僕がずっと使っているのもこのサイバーナビで、レビューなど詳しい紹介は以下の記事にまとめていますのでぜひどうぞ!
こちらはエントリーモデル扱いの「楽ナビ」。地図情報と位置精度は上の「サイバーナビ」とほぼ同じ性能と思って問題ありません。詳しく違いを知りたい方は先ほどの記事リンクへどうぞ。
機能対応表
サイバーナビ900系 | 楽ナビ900系 | 楽ナビ700系 | 楽ナビ500系 | 楽ナビ300系 | 楽ナビ100系 | |
Bluetooth | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
AUX音声/映像入力 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPod,iPhone接続端子 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
HDMI入力端子 | ◯ | |||||
HDMI出力端子 | ◯ | |||||
USB音楽再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ フルセグ | ◯ | ◯ | ◯ | |||
地デジ ワンセグ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ブルーレイ再生 | ||||||
DVD再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
CD再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
ハイレゾ対応 | ◯(901以降) | |||||
イコライザー | 31バンド | 13バンド | 13バンド | 13バンド | 13バンド | 13バンド |
VICS WIDE(渋滞情報) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
音声検索 | ◯ | |||||
MapFanコネクトナビ連携 | ◯ | |||||
地図差分更新 | ◯ | |||||
地図全データ更新 | ◯ |
Strada(パナソニック)
概要
carrozzeriaと売上をしのぎ合っているのがPanasonicです。パナソニックは本当に電気製品の幅が広く、どれも高性能でいつも驚かれますよね。カーナビもその例に漏れない。
綾瀬はるかさんでおなじみの広告で、通常カーナビである「Strada」(ストラーダ)シリーズ、ポータブルナビで有名な「Gorilla」(ゴリラ)シリーズの2つを大きく展開しています。
なによりBlue-rayを見られるカーナビはPanasonicだけ!という絶対的なアドバンテージを持っているのが最大の特徴でしょう(2020/6/14現在)。
また、メーカーレベルで見た場合前述したポータブルナビ「Gorilla」は凄まじい売れ行きです。最近のポータブルナビ、マジですごいですよ。ポータブルナビについても徹底的にまとめてあるのでぜひ検討の候補に入れてみてください!
位置の測位精度に関しては、身も蓋もない表現であれですが「可もなく不可もなく」というレベル。たまにお客さんでも「たまに全然違うところを表示したりする」と言っている方がいましたが、これは色んな要因が考えられるのでナビ自体の本質的な性能の低さではないと思っています。実用上はまず問題ないでしょう。
ただし、メインとしている地図情報はcarrozzeriaやこのあとのKENWOODのナビとは違う傾向があるので、情報量という意味ではやや劣ります。
お店へ行くと画面の精細さに思わず足を止めてしまうのは、このStradaかもしれません。(が、メニュー画面の安っぽさは何年経っても変わらないのが「?」なんだよな…笑)
代表モデル
実は今Panasonicが主力としているのはこういった特殊形状モデルで、「はめ込むサイズは通常の7インチの窓口でいいのに9/10インチの大画面を楽しめる」というコンセプトの製品です。
つくりも頑丈で、ディスプレイの角度を半自由に設定できることからも意外と利便性はあります。顔とナビの距離が近くなることもメリットと言えるでしょう。
しかし車内デザイン性にこだわりがある方はよく検討することをおすすめします。お店にはこのナビの装着イメージ図が展示されていることが多い(有名車種のみ)ので、ネットの情報も併せて上手に検討しましょう。
R◯シリーズが、ストラーダの通常モデル。Rの次の文字がXだとブルーレイ対応、Aはミドルクラスのコスパモデル、Eはエントリーモデルという位置づけです。わざわざストラーダを選ぶということはブルーレイの強みを活かすべきなので、RXモデルが対象になるでしょう。
その他詳しいラインナップ等は以下の記事を参照ください。
機能対応表
CN-F系 | CN-RX系 | CN-RA系 | CN-RE系 | |
Bluetooth | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
AUX音声/映像入力 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPod,iPhone接続端子 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
HDMI入力端子 | ◯ | ◯ | ||
HDMI出力端子 | ◯ | ◯ | ||
USB音楽再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ フルセグ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ ワンセグ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ブルーレイ再生 | ◯ | ◯ | ||
DVD再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
CD再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ハイレゾ対応 | ◯(F1-XVDのみ) | |||
イコライザー | 13バンド | 13バンド | 13バンド | 13バンド |
VICS WIDE(渋滞情報) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
音声検索 | ◯ | ◯ | ||
地図差分更新 | ◯ | |||
地図全データ更新 | ◯ | ◯ | ◯ |
彩速ナビ(KENWOOD)
概要
KENWOODからは「彩速ナビ」という名前でカーナビがブランド展開されています。
文字通り「彩」は画面のきれいさ(それ以外も含んでいるかもしれません)、「速」は操作のサクサク感・速さを表していると考えられます。
なにより驚くのはその速さで、初めてこのカーナビをお店で触ったときには感動して唖然としてしまうかもしれません。僕にはそれくらい衝撃的な操作感でした。
タッチ、フリック、スワイプ、ピンチイン・ピンチアウトなど、ナビ画面で本当にスマートフォンのような感覚で使えるというのは想像以上に快適なのです。カーナビという、昔からのなんとなく野暮ったいイメージを完全に払拭してくれます。
先ほどとも言ったとおり、地図情報は量とともにかなり信頼性があります。が、イメージとしてかなり「音」(と「サクサク感」)をメインに攻めてきているので、位置精度はあまり力を入れていないのかな?とも感じていました。
そしてこちらももともとオーディオメーカーであるように、音の面にも様々なこだわりが見られます。音質重視の方でも満足いく1台を探せることでしょう。
その他詳しい情報は下記記事にまとめてあります。
実は使っているお客さんとそこまで多くお話できなかったので、実際の使用感はあんまり詳しく分かってないんです…。でも、見た目やUIデザインの所有欲という意味では社外品ナビの中では群を抜いていると思います(アホみたいな高級品の三菱のダイヤトーンは除く)。
代表モデル
追記 (2019/10/19) :彩速ナビは2019年モデルでもこの「Zシリーズ」が発売されていませんので、今後このラインナップは消えるのかも。その代わりに後述する「Mシリーズ」は後継機が順調に発表されています。
↓予想通りMシリーズで新作が続いているようです。
フラッグシップのメイン売れ筋モデルがこちら。これといって目立つ特殊機能があるわけではありませんが、前述したとおり「素早さを兼ね備えながら機能は削ぎ落とさず全部盛り」っていうのが最大の強みと言えます。
「Apple CarPlay」「Android Auto」にも対応しています。これってすごいんですよ。ライセンスの関係で価格はかなり上がりやすいので、コスパは最強レベルです。
こちらはエントリーモデル。動作の速さで彩速ナビを選ぶ場合で、簡素なものでいいかという場合に候補に入るでしょう。
ちなみにこれよりもさらに下の「MDV-L40◯」というモデルも存在しますが、テレビがフルセグではないなどかなりシンプルなモデルのためここでは割愛します(下記表には記載)。
機能対応表
MDV-Z系 | MDV-M系 | MDV-S500系 | MDV-S400系 | |
Bluetooth | ◯ | ◯ | ◯ | |
AUX音声/映像入力 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPod,iPhone接続端子 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
HDMI入力端子 | ◯ | |||
HDMI出力端子 | ◯ | |||
USB音楽再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ フルセグ | ◯ | ◯ | ◯ | |
地デジ ワンセグ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ブルーレイ再生 | ||||
DVD再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
CD再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ハイレゾ対応 | ◯ | ◯ | ||
イコライザー | 13バンド | 13バンド | 13バンド | 13バンド |
VICS WIDE(渋滞情報) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
音声検索 | ◯ | ◯ | ◯ | |
地図差分更新 | ◯ | |||
地図全データ更新 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ECLIPSE(デンソーテン)
概要
以前は富士通グループの「富士通テン」というメーカー名でしたが、現在は「デンソーテン」というメーカーに。
発売されているのは「ECLIPSE」(イクリプス)というナビで、フルフラットなデザインにボタンの少ないシンプルな設計、そして自動で地図を更新してくれるという機能を持っているのが特徴です。
地図更新機能のコストパフォーマンス含め、使いやすさや画面UIの見やすさなどは光るものがあるのですが、ナビ方面はイマイチな部分もやや目立ちます。
収録されている地図は道路情報が他社のものより少なめで、道がある区域でごっそり入っていなかったりするシーンを何度も見ています。位置の測位精度もかなり甘いです。
本体価格がかなり安めなのでパッと見で購入される方が多いようですが、「結局あまり役に立たなかった」と買い換えるパターンもよく目にしました。僕としては、一番注意して欲しいカーナビメーカーです(個人的な意見のため、利用されて気に入っておられる方ももちろんいらっしゃることは承知しています)。
自分の目的をよく吟味し、候補に入れましょう。
決してネガキャンが目的ではないです。カーナビを買ったあとにみなさんに後悔してほしくないので、包み隠さず書いています。
代表モデル
上位モデル。しかしなにが上位かというと実はナビ自体には性能差はなくて(というか全く同じもの)、「通信ユニット」というものがセットになっているという点で上位の位置づけとなっています。
追記 (2019/10/19) :もともと上位モデルだった「AVN-S系」はラインナップからなくなったようです。現在はR系と下記D系のみです。
このシリーズのナビの一番の特徴として、前述のとおりいつでも最新の地図を利用することができるというものがメインとしてありますが、それに付随した細かい機能が利用できるようになるユニットのイメージです。
ちなみにこのひとつ下の「AVN-D系」モデルが「ドラレコセットモデル」。カーナビとドラレコの連携に重きを置いたモデルです。
機能対応表
AVN-S系 | AVN-D系 | AVN-R系 | |
Bluetooth | ◯ | ◯ | ◯ |
AUX音声入力 | ◯ | ◯ | ◯ |
iPod,iPhone接続端子 | ◯ | ◯ | ◯ |
HDMI接続 | ◯ | ◯ | ◯ |
USB音楽再生 | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ フルセグ | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ ワンセグ | ◯ | ◯ | ◯ |
ブルーレイ再生 | |||
DVD再生 | ◯ | ◯ | ◯ |
CD再生 | ◯ | ◯ | ◯ |
ハイレゾ対応 | |||
イコライザー | 7バンド | 7バンド | 7バンド |
VICS WIDE(渋滞情報) | ◯ | ◯ | ◯ |
地図差分更新 | ◯ | ◯ | ◯ |
地図全データ更新 | ◯ | ◯ | ◯ |
DIATONE SOUND. NAVI(三菱電機)
概要
三菱電機から発売されているこの社外品カーナビとは思えないほどの高価格なナビが「DIATONE SOUND. NAVI」(ダイヤトーンサウンドナビ)。
笑っちゃうくらいの音質面に全フリしたカーナビで、公式サイトへ行こうがカタログを見ようが9割が音の話です。実際、サウンド評論家に「ナビが付いているカーオーディオ」と言われていますw
しかしそれだけ音質面でのステータスは驚くほど高く、設定項目の数なども恐ろしい量が存在してます。
見た目の高級感も他とは一線を画している感じがあって、まあ一種の嗜好品のレベルでしょう。
カーナビとしての性能は、使っている人をほとんど見たことがない上に(持っている人がそもそもいないという意味はもちろん、持っていてもナビとして使っていない)、ネット上もほとんどオーディオの話ばかりなので正直僕も全然分かってないです。ひとり買う予定のある友人がいるので、付けたら色々聞いてみようと思います。そいつもナビは使わないタイプだけど…。
一応各種センサの搭載など主要なナビゲーション宣伝項目は見つけることができますが、やはり「カーナビはおまけでいい」人が使うナビなのでしょう。
ちなみに、いわゆる普通のモデルたちも存在します。あまり紹介する必要がないと思っているので今回はスルーです。(参考→公式HP)
代表モデル
こちらが噂の最新モデル。市販カーナビとは思えない信じられない値段してます。骨董品の勢いです。
※2020年4月発売のNR-MZ300PREMI-3はAmazonで見つかりませんでした。たぶん価格はもっと高いはずですw
こちらがまだ手が届きそうないい感じのモデルです。この他にも少し上位な「NR-MZ200PREMI-2」というのがあります。
機能対応表
MZ-300PREMI | MZ-200PREMI | MZ-200PREMI-2 | |
Bluetooth | ◯ | ◯ | ◯ |
AUX音声入力 | ◯ | ◯ | ◯ |
iPod,iPhone接続端子 | ◯ | ◯ | ◯ |
HDMI接続 | ◯ | ◯ | ◯ |
USB音楽再生 | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ フルセグ | ◯ | ◯ | ◯ |
地デジ ワンセグ | ◯ | ◯ | ◯ |
ブルーレイ再生 | |||
DVD再生 | ◯ | ◯ | ◯ |
CD再生 | ◯ | ◯ | ◯ |
ハイレゾ対応 | ◯ | ◯ | ◯ |
イコライザー | 31バンド | 31バンド | 31バンド |
VICS WIDE(渋滞情報) | ◯ | ◯ | ◯ |
地図差分更新 | ◯ | ◯ | ◯ |
地図全データ更新 | ◯ | ◯ | ◯ |
その他のカーナビメーカー
ここまでで紹介していないカーナビメーカーがいくつかあるのでまとめて紹介しておきます。
なぜ大きく取り上げないのかもそれぞれ説明します。
アルパイン
知名度的には今まででここが出ていないことに気付いている方も多いはず。
アルパインのナビの特徴は「とにかくでかい」ことで、「ナビのサイズがでかい=取り付けできる車種に限りがある」ということで、つまりは汎用性は低いんですよね。
今回取り上げなかった理由はここで、7インチワイドサイズのモデルも増えてきたとはいえ、まだまだ車種は限定的です。
かなり目立つので実は結構「アルパインを付けたい」というお客さんは多いのですが(D◯N多め)、取り付け条件の厳しさで泣く泣く断念というパターンはよく見ました。
情報の需要が多くなってきたら、取り付けに関しても含め、アルパインについてまとめてみようかなとも思っています。
クラリオン
若めの世代の方はメーカー名すら知らないかと思われますが、ひと昔前はクラリオンと言えばカーナビで有名でした。
でも現在市販モデル(いわゆる「社外品ナビ」のこと)で販売されているのはわずか数モデルで、そのうちも実際はサイズ違いやマイナーチェンジなどで、ベースはどれもほぼ1つの製品です。
在庫を置いていないお店も多く、カタログや広告商材すら用意しないお店がかなり増えてきたのであまり需要もないだろうと思い今回このレベルでの掲載です。
しかし一部の車種のディーラーオプションではクラリオン製のナビは根強く残っています。会社的に事業シフトの香りがしますね。
アイシンAW・アイシン精機
主にトランスミッションなど駆動系がメインの事業のメーカー。その流れでメインユニット(ナビとかコックピット類のあの辺)も作ったりしていて、メーカー純正のナビのOEMなどメイン。ディーラーオプションもあるのかな?
市販モデルは見たことがないので、たぶん社外ナビとしてのアイシン製はないはずです。もともとBtoBメーカーということもあり、一般の人には知られていない会社名ですが一応紹介しました。
追記 (2019/11/19) :アイシン精機とアイシンAWが2021年4月から経営統合すると発表がありました。
まとめ
主なカーナビメーカーの紹介は以上です。というか、カーナビに関しては「名前も知らないような小さいメーカー」とか、格安の中華・台湾メーカーなどは僕が知る限り一切ありません(ポータブルナビ、Androidナビ、メーカーオプション/ディーラーオプションのOEMなどは除く)。
たぶんですが理由としては、「カーナビというものを使っているのは日本くらいだから」というのが挙げられます。要は市場規模が小さいんですね。意外じゃないですか?
欧米の人なんかは車にはオーディオしか付いていないことがほとんどだし、最近はそのオーディオもAndroid AutoやApple CarPlayがついたおかげでスマホナビだけでさらに必要なくなってしまったし…とか色んな背景があります。
気付きました?これ「ガラパゴス化」なんですよ。ケータイと同じで、日本でのカーナビ市場はまさにガラパゴス化の一途を辿っています。そう考えると意外ではないかもw
そんなわけで、今回書いたメーカーについておおよそ知れていれば日本人である限りまず問題ないです。あとは実際の口コミと照らし合わせて購入すれば、ナビ本体の購入に限っては失敗はほぼ起こらないでしょう。
口コミに関するまとめを僕が紹介してもいいんですが、それをやるとどうも作為的に見えるし、他社の口コミを転載するのはサイト運営的にもアレなので、それは実際のショッピングサイトなどを見てみてください。
それではこの記事はこの辺で。